勇者達が守った街と、流星の訪問者



「活気があって賑やかな街だね、街のみんなも活き活きしてるのが感じられるな! お仕事で遠くから来たんだけど、凄い異変があった時に勇者が活躍した街って話は聞いてるんだよ!」

「伯爵さんはあの異変に立ち向かった者全てがルカレントの勇者だって言いました。 現場で命を懸けて戦った者だけじゃない、冒険者達を支える為に、混乱の中人々を安心させる為に、 街で動いた人達も含めて。そんな人々が守り抜いたこの平和で優しい街が私達の誇りなんです!」

「俺が冒険者にアイテムを売っていったのもそれに含まれてるなんて、嬉しい事言ってくれるぜ。」

そこは世界を脅かす異変に立ち向かった勇者達がいたという伝説が言い伝えられた王国の城下町。 ふとした縁でここに訪れた異国の魔法使いの少女は、街を誇る少年達に案内されてここでの目的を果たす。 暖かな施しと交流に感謝の心を伝えて、少女は街を後にした。

…その彼女を案内したあどけない少年こそが異変を打倒した勇者の一人である事など、知ることは無いだろう。